2015年1月2日金曜日

【年始のご挨拶】湯気のなかで見えてくるもの

2015年がいよいよ動きだしましたね。
あけましておめでとうございます。

1月2日は、毎年恒例となった銭湯の「初湯(はつゆ)」に夫婦で行ってきました。乳飲み子の息子はまだ連れて行けないので、今年は夫と交代で子守をしながら一人ずつゆっくり湯に浸かることに。

寒いので家でのお風呂もゆっくり浸かりたいのですが、赤ちゃんがいるとそういうわけにもいかず、二人とも毎日カラスの行水なので、仕事や育児の疲れがたまってくると、ときどき銭湯の熱い湯が恋しくなります。

私たちが通う近所の銭湯は、初湯の日は、朝の7時から夕方の5時まで営業しているのですが、普段の日は早朝の時間は営業していないので、初湯の日だけ朝の時間帯に入ることができます。

明るい自然光のなかの銭湯は神社のような神々しさがあり、福々しい女将さんの笑顔を見るだけでもご利益がありそう。初湯の日には、干支せっけんと、銭洗い弁天の御福銭と飴がもらえるのも楽しみのひとつです。

身体を清めるようにすみずみまで洗い、熱い湯に肩まで浸かると寒さで縮こまっていた身体の血管がうわ~っと一気に広がるせいか、最初はジンジンと痛いくらいでした。ブクブクと泡立つ超音波風呂の音に耳を澄ましてみると、心の底にたまっていたアクが次から次へと浮かび上がってくるのがわかりました。

あぁ~今年もこれで去年のアクは全部出し切ったぞ!そんなさっぱりとした気分にさせてもらいました。

銭湯の湯気のなかで見えてくるものはとてもシンプルです。

裸になれば、名前、肩書き、年齢、金持ちとか貧乏とかは何の意味も持ちません。そこにはだだの「人間という生物」がいるだけという感じなのです。まるで動物園にいるかのような・・・・・・

でも、一人ひとりをよく観察していると「品がある」「品がない」というのは一目瞭然でわかります!

ズカズカと大股で歩く人やザブーンと周りを気にせずに湯や泡を飛び散らしている人の近くには、妙な殺気があり、あまり近寄りたくないオーラを醸し出しています。

反対に、美しい所作で丁寧に身体や髪を洗っていたり、周りの人に会釈をしたり挨拶をして、心静かに極楽気分で湯に浸かっている人を見ると、こちら側も心が和み、思わず見とれてしまいます。

心の透明度と肌の透明度は比例するようで、不思議と後者のほうは、美しく白い餅肌の方が多いような気がします。

「妖怪ウォッチ」ではなくて、「人間ウォッチ」する場としても銭湯はなかなかおもしろいですよ。

上の写真は、初湯の脱衣所での一枚。人が近付くとセンサーで感知してお囃子の音とともに動きだすミニ獅子舞ロボットが近くにあって、突然動き出したのでビックリして笑ってしまいました。女将さんのサプライズのようです。

獅子舞の姿に、「子育ても仕事も、もっと肩の力を抜いて、気楽に、にぎにぎしくやりなよ!」と背中を押された気がして、うれしかったのでありました。

下の写真は、初湯でもらった飴です。黄色かったので「ポケモン飴」かと思ったら、なんと「ケロリン飴」でした。台東区の「金太郎飴本店」で作っている金太郎飴のようです。かわいい~。
今年もどうぞよろしくお願いします!
 
2015年1月2日 ことのは山房